じ性能の低下といえども、脳とコンピュータとでは原因が違うようだ。
コンピュータの場合、性能はCPUに大きく依存している。
プログラムの進化は常にCPUの処理速度の向上を要求する。
したがって、一昔のパソコンは今のソフトを動かすだけの能力がないのである。
ところが、人間の脳はCPUを取り替える訳にはいかない。
各自生まれた時に与えられたCPUを一生使うしかないのである。
人間の脳の面白いところは、そのCPUを持ち主の意思や努力によってバージョンアップできることである。
バージョンアップを怠れば、その持ち主はそれなりの人生を送らなければならないのである。
まあ、人生はそんなに簡単なものではなく、バージョンアップなど必要ない環境に生まれついた人もいるのはご承知のとおり。
それと、生まれながらに高性能のCPUを持っている人間も多数いるので、簡単にバージョンアップだけの話ではないようだ。
所謂、頭の回転が良い人は必ず存在するので、努力だけの問題ではないことは明らかだ。
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話が逸れそうになったのでコンピュータと脳の話に戻す。
脳の性能はCPUだけの話ではない。
メモリとハードディスにも大きく依存しているようなのだ。
言わずもがなであるけれど、メモリは大きいほど性能が良いとされる。
メモリが大きいとは、作業する机の面積が広いということである。
広ければ、いろんな仕事を同時に処理することが出来る。
ところが、歳をとるにつれてその面積が狭まってくるようなのである。
乗せたと思っていた仕事をいつの間にか忘れてしまうのである。
机の上から物が落ちるように。
一方ハードディスクも劣化してくる。
データを蓄える容量そのものが、脳細胞が死滅する